このふた月ほど、茨木のり子ブーム

このふた月ほどの、自分の中で詩人の茨木のり子ブーム。

といってもふた月前まで、詩は知っていたかもしれないけど、名前は知らなかったくらいだった。ぷらっと一人旅した帰りに松本の丸善で帰りに読む本を物色していたら、岩波文庫の新刊になっていた「茨木のり子詩集」をみつけた。装丁が昨年買った「谷川俊太郎詩集」とおんなじこともあり、手にとってそのままお買い上げ。読みやすくも、凛とした詩、一方で最後の詩集の亡き夫への思いを綴った詩など。一気に読んだ。

また、「茨木のり子の家」という、生前に住んでいた家の写真、生前の写真と詩で構成された本も買ってみた。詩で見せる個の感じがそのまま家に現れているような感じ。50年前以上前に立てられたこの家に、ずっと住んでいたが、その時間がたたずまいが味になっている。亡くなるちょっと前に旦那さんが買った椅子をずっと使っていたり、ずっと前のソニーのラジオ(表記がHzじゃなくてC(サイクル!)になってる)だったり。

文庫のオビに世田谷文学館で「茨木のり子展」が開かれていると書いてあったので、これにもいってきた。直筆の日記、手紙など、興味深く、見る・・・というよりは読んできた。特に詩の同人誌をつくったときの、詩人の川崎洋とのやりとりが良い。この時、まだ一度も二人は会っていない。けど、いきなり同人詩を作ろうと持ちかけ、「櫂」という同人詩ができていく。手紙で日時を指定して東京駅で待ち合わせなんて今では考えられないくらい、おっかないことですよね。一方、また、どこか良い場所ということで、「静かで、粘れて、おいしくて、安くて・・・」なんて書いているところが、今も変わらないよなぁ、と思ったり。

まだまだ詩について知りたいなと思う今日この頃。 岩波書店は、年一冊のペースで岩波文庫に詩集を出していくのだろうか?楽しみにすることにしよう。