峠駅と滑川温泉と

今年は歩きで奥羽本線の峠駅に行って滑川温泉に行くつもりだったのだが、足の調子が今ひとつだったので、やめにした。来年にしようか。
なんで行きたかったか。っていうと、行こうとしてたルートが私の知る限り、父と兄と私で行ったほとんど唯一といっていいお出かけだったからなのです。
1984年の夏だったか。どんな理由だったか忘れたけど、父・兄・私の3人で峠駅まで虫取りにいく話になった。朝、ちょいと早めに家を出て福島駅から奥羽本線に乗って出かけた。このときには、福島駅前に大きな「こけし」の看板があった。よくよく考えると、物心ついて初めて電車乗ったのがこの時だったとおもう。けど、どうやって列車に乗ったのか、自分が車掌に切符を出したのか、父がやったのか、もはや覚えてない。列車にクーラーなんて物はなくて、JNLと書いてある扇風機がガーっとまわってた。確か椅子は木製だったはず。スイッチバックという言葉を初めてきいたのもこの日だったはず。スイッチバックの意味はこの時よく分からなかったけど。
そして、峠駅について、ちょこっと駅の周りで虫とったあとは、歩いて4kmのところにある滑川温泉に行こうってことになって、砂利道をトコトコあるいた。何度も父親が「疲れたかー?」って聞くので、「ちょっと」って言ったら、それで、温泉に行かずに引き返すことになってしまった。「だいじょぶだよ」と私がいっても、そのまま帰ることになってしまった。覆水盆に返らずって感じです。あと1km位で温泉だったみたいなことを父は話していたけど、本当にそうだったのか、今は分からず。そして、滑川温泉もあれから24年たつけど、いまだに行ったことがない。
駅の近くまで戻ったあとは、駅舎で母親が作ったおにぎりを食べて、駅の周りで虫とっていた。この日、父は愛機のニコンF(汗のにおいだったのか。ファインダーを覗くとなんかやたら臭かった)を持っていったので、何かしら撮ったとは思うのだけど、この時の写真はどこかに残ってるんだろうか。虫取りが終わったあとは、駅列車が来るまでどれくらいだったろうか、1時間以上?列車をぼんやり待っていた。こんな駅なのに駅員さんがいて、駅員さんがつけていたテレビではなぜか昼なのに東芝日曜劇場がやっていた。駅舎のライオンの蛇口からずっと水が流れていた。そして、かえりしなに「峠の力餅」売りも見たような気がする。
うちは旅行に行くことがほとんど全くといっていいほど無かったので、この日のことはよく覚えてる。

峠駅と滑川温泉と」への2件のフィードバック

  1. 思えば、これが僕の旅の原点でこの時かもしれないです。だからいろいろ覚えてるんだろうなぁ。

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